2015年11月19日木曜日

「気分は極楽」


私がメイクレッスンを始める前。
東京に来る前の、京都にいた頃、散々お世話になった場所があって「気分は極楽」という場所がありましてん。
平日の真昼間からお酒を飲んで楽しみましょうという場所でした。
今考えると凄いコンセプトですよねぇ(笑)

で、そこの女将をウラヂさん(私の師匠みたいな人)がやっておりました。
私はそこでウラヂさんに一方的に張り付いて、いろいろな技術を盗んでいったわけです。(実力の程は、今も足元にも掠ってませんがね。)

その場所「気分は極楽」を提供してくれていた、
オーナーのみあちゃんが月曜日に亡くなったという訃報が昨日届きました。
ベタベタなご挨拶ですが、ご冥福を御祈りします。生前は大変お世話になりました。
お世話になったなんてもんじゃない位、お世話になりました。

大学卒業してプラプラして仕事もせずにダラダラ過ごしていた20代前半。
同期のドラァグクイーンは海外に留学したり夜の世界で働いたり
次から次へと新しい生活をしていく中で私は唯一京都でトグロを巻いていました。

ニート時代。若さってのは自意識の塊みたいなもんで、
今じゃ鼻で笑う位でしか無い
20代前半しょっぱい無駄な悩みをやたら抱えていたのですが
そんな悩みを世間軸ではなく、自分なりのペースで解消することができたのは、
みあちゃんがあのスペースを与えてくれていたからです。
「スカーレット・ロマンス」という意味不明なタイトルのお店を
月に一回、最終日曜日にやらせていただいておりました。
(何かをさせていただきました的な書き方があまり好きでは無いのですが、ここはあえて。)


初めて会ったのは別の場所。
のちにメンバーに加わる「じゅうじゅん展」というグループ展でした。
みあちゃんが当時やっていた季節居酒屋に「行きます」と言って実際に行ってみたら
「行くと言って本当に来る奴はなかなかいないぞ。スカーレットは大したもんだ」
と言ってくれたのは、今も忘れていませんし、今も大切にしている人とは常に口約束にならないよう、心がけようと思っています。


みあちゃんには大切な相棒の「あみちゃん」というのがいました。
あみちゃんはもう数年前に亡くなっていて、
そのあみちゃんに会うことが出来たのも私にはとても大きな財産でした。

メイクレッスンを京都で開催する場合はスペースをお借りしました。
他のどの素敵なスタジオさんに声をかけていただいても、
「京都のメイクレッスンはここでやる」と勝手に決めて
無理に場所をお借りしていたのは賃料や時間に融通が効くからだけではなくw
私がみあちゃんに頑張っているところを見て欲しかったのです。笑

結局私はみあちゃんに感謝してばかりで
私は彼に何もお返しが出来ないまま彼の人生が終了。

ラインでの会話で何か欲しいものは無いかと聞いても
「ありがとう 気持ちだけ」と帰ってきて
「おおきにー」のスタンプが送られてきました。


亡くなる本当の最後の最後まで、
フェイスブックのメッセンジャーでグループを作ってみんなで会話を楽しんだり、
つい今月の頭にもラインでメッセージをくれて近況を教えてくれたり、
私は東京で新しい生活をしていても、仲良くしてくれていました。

65年弱、少し短めの人生、お疲れ様でした!

本当に思い出をありがとう。


風邪っぴきの中でのブログ更新ですよ。
誤字は失礼あそばせ。