2019年11月24日日曜日

ボジョレーヌーヴォー2019「アラビアンナイト」製作日誌

久しぶりすぎるブログアップです。笑

毎年恒例、
花千代さんオーガナイズのボジョレーヌーヴォーの解禁パーティー。
今年は「アラビアンナイト」がテーマとの事。
『「夜の女王のアリア」のショーをやって欲しい』
とオファーでございました。



うむむ、お茶を濁すわけにはいかない、
なかなかの難題がやってきましたよ。笑
何年もベリーダンスの世界にお世話になっている僕なので、
アラビアンなプロフェッショナルたちに囲まれている中で
彼女達が眉を顰めるようなしかめるような事は絶対でき〜ん!!!


とりあえず決めたテーマはセルジュルタンスの香水「アラビ」のポスターです。
何年経過しても美しい。

ベースが違うと出来上がりも色々違うんだわね。笑
紫、ネイビーのベースを全身ゴールドで埋め尽くすという作業は大変でした。笑


今回、
トライバルダンサーの怪しい呪術的な動きって格好いいなぁ
アラビアンナイトであの動きが少しでも出来たらいいなーと
前々からやってみたかったアメリカントライバルスタイルベリーダンス(以下ATS)
に挑戦です。
大親友で、いつも頼もしいSwitchこと、うっちーに習って、振り付けてもらいました。



ボディスーツの部分とタイトなターバンはセルジュリュタンス風ですが、
最終的なシルエットはATSの衣装に歩み寄れるように、
タックインした二枚のティアードスカート、
その下には見えないけれど引きずるほど長いハーレムパンツ、
フリンジのヒップスカーフ、背中の空いたトップス(チョリ)
コインブラ、ビンディのパーツでスタイリングしています。
(うっちー先生にきちんと監修してもらった)
正直な話、
メイクレッスンを始めた当初、
初めてトライバルという言葉を聞いて、画像だけを見た時は、
民族とは名ばかりでどこの国のどの踊りか意味不明で、
文化考証完全無視!見事なちゃんぽんぶりに僕は警戒心MAXだったのですが、

ダンサーを通してアメリカントライバルスタイルにふれあい、
うっちー先生に昔のATSダンサーの動画や、
「トライバルフュージョン」という次世代の派生初期の動画を
見せてもらっていくうちに、
かつてエジプトのハーレムやキャバレーで踊られていたベリーダンスとは全く違う、

「足を見せてはいけない」「脇の下を見せてはいけない」「女性の強さを」
といった、女性の群衆が作り上げた独特な、
性に対する歪んでいるようにさえ感じるストイックな世界に
どんどん吸い込まれていきました。


スカートの二枚目はゴールドで製作。
ティアードの段に合わせて星のスパンコールモチーフをひたすら縫い付けていきます。
そして中心にはクリアのラインストーンを施します。
星のモチーフは800枚以上使いました。


見えませんがダンス用のハーレムパンツはドロップ分を計算するのではなく、
引きずるほど長いのがルールのようです。ラメ入りのベルベットで仕上げ。

コインブラはお世話になっているベリーダンスショップfigさんで
既製品を購入し、コインを全て外し、月のモチーフに変更しました。
これがフックになっていろんな場所に引っかかるので結構大変ですw
ネックレスとイヤリングも月のモチーフで手作りです。


チョリはスパンコールフリンジの生地で製作し、
そこにさらに星のスパンモチーフ、ラインストーンを施します。結構大変ですw

本来ATSのチョリは背中が貧乏っちゃま状態、パックリ空いていて、
背中でリボンを結ぶスタイルなのですが、
自分で背中では結べないので、月のモチーフを施してみました。


メイクは細眉はもちろんなんですが、
これ何と言ってもダブルライン、ノーズシャドウが黄色という恐ろしいメイク!
イエローのローライトなんて白塗りじゃないと絶対に不可能なのです!!
しっかり白塗りして、ローライトのベースに薄〜くブラックを入れてから
イエローのシャドウを重ねました。
アイホールのハイライト、眉骨のハイライトには
しっかりパールのきいたホワイト、シルバーのラメで立体感を出します。
ダブルラインを目頭側くっつければよかったなと後悔です。
外ハネのつけまつげはこれね。




そもそもトライバルってアメリカ産なのでアラビアンじゃないけどまぁご愛嬌でw
大好きなdie-co⭐︎先生と一緒に。
ダイコ☆先生はインドから呼ばれて来た皇太子という設定?だそうです。
当店のビンディつけてくれてます。嬉しいです。

そしてお世話になりまくっている花千代さん!
お客さんも出演者も毎年全力で挑んでくるから凄いです。
こんな引力の強い人になりたいなあ〜〜
毎回僕の世界をググッと広げてくれるし、



衣装を作るのは、お金も時間も体力も使いますが、
心のどこかでやりたかったけれど
現実に追われて後回しになっていたりして
やることができなかった事をする機会を作ってくれます。

さっき領収書数えたら、今回の制作費、
材料代だけで15万超えてたわ。笑




花千代さんのパーティーは、
「人生の元が取れる」不思議な時間です。本当神様。




で、実は今回、そんな神様の衣装も作りましてん。
お手持ちのカフタンのお直しと、ハーレムパンツとおっきなターバン!という注文です。





「ピカピカのゴールドでお願い!」
ということだったのでライオンボードでベースを作って、
ゴールドのラメ生地巻きつけました。
ただの金色の球体にならないように試行錯誤です。



会場が螺旋階段吹き抜け、
上からも見えるだろうなあ〜という訳でターバンのトップにも捻った施しなぞ。
しなりが美しく出るように全てバイヤスでつぎ当て無しで作るという超贅沢使いです。笑


花千代さんのハーレムパンツ。
ふんわり、でもどこかスタイリッシュに見せたいので
ヒップラインの切り替えからギャザーではなくフレアで作り、
キュロットスカートの型紙ではなくストレッチパンツの原型で
腰回り、股の間はすっきりとなるように作りました。

こちらはカフタンのお直し。
裾を短くして、前中心にスリットを入れて欲しいとのご注文でしたので、
前だけ短くして、ウエストベルトの穴を開けてウエストを絞れるように、
インド製のレースを施したのでした。



こうやって年に1回くらいは、
自分のための製作ができたらいいなあと思うのでした。